ノームがカエルに出会ったとき

私たちにはそれぞれ自分の居場所があるでしょう?

昔々、木々が古の秘密を囁き、花々が笑い声とともに咲き誇る静かな森に、ヨリンという名の小さなノームが住んでいました。ヨリンは風変わりな少年で、長くカールしたあごひげを生やし、真っ赤な帽子をかぶり、いたずらっぽく目を輝かせていました。彼は毎日庭の手入れをしたり、森で壮大な冒険をしたりしていました。しかし、ヨリンが何よりも愛していた場所がありました。それは小川です。

ある爽やかな秋の朝、ヨリンは小川へ向かうことにしました。水は太陽の光にきらめき、滑らかな石の上を踊り、苔むした土手の周りを曲がりくねって流れていました。空気は新鮮な土の香りが漂い、水のせせらぎが優しくヨリンの心を慰めました。

ヨリンが小川のほとりに座り、小さなつま先を冷たい水に浸していると、何かが目に留まりました。目の前の大きな岩の上に、カエルが止まっていたのです。カエルは深い緑色で、光沢のある腹が太陽の光を金色に反射していました。カエルはヨリンに物憂げに目を瞬きながら、その水かきのある片足を伸ばし、柔らかく鳴き声を上げました。

ヨリンはくすくすと笑い、帽子を傾けて言いました。「なんだ、クラブには顔を出さないな。」

カエルの大きく突き出た目は驚きに瞬きました。それから、ずる賢い笑みを浮かべ、少し跳ねて近づき、鳴き声で返しました。「まあ、小川では見かけないな!」

ヨリンは一瞬驚いて瞬きをしたが、それから心から笑いました。「その通りだ、友よ。お互いに自分の立場があるんだろうな。」

カエルは意味ありげな表情を浮かべ、優雅に水の中へ飛び込んだ。水面に銀糸のような波紋が広がりました。「小川ってそういうところなんだ」とカエルは満足げなため息をつきながら水に腰を下ろしました。「世間の喧騒から離れて、静かに考え事をする場所なんだ。でも、君のクラブは大変な騒ぎになっているらしいな。ノームたちが大声で笑い、踊りまくっているからね。」

ヨリンは考え込んで頷きました。自分のクラブ、ノームたちが集まって物語や音楽を語り合い、パイを食べ、楽しい仲間と過ごす場所を思い出し、髭が胸にかすれました。「確かにそうだが、時々は小川の静けさこそが必要なんだ。考え事をしたり、話を聞いたりする、ちょっとした安らぎがね。」

カエルは同意するようにカラカラと鳴きました。「誰だって、そういう時はあるだろう?」

ヨリンは頷き、カエルが小川を優しく泳ぐ中、草の上に腰を下ろしました。二人はしばらくの間、心地よい沈黙の中で座り、周囲の世界は自然だけがもたらす静寂で満ちていました。そしてその日から、ヨリンが小川に足を運ぶと、カエルはそこにいて、良い友達のように待っていました。